今月初めに北京に行く機会があったので、まずその時の感想から。
飛行機のタラップを降りると、オイルのような匂いがした。大気汚染のニュースが飛び交っていたので身構えたが、「まあ、飛行機のエンジンも近いし」とも思った。
空港の建物に入ると、誰かがタバコを吸っているのではないかと思った。匂いはかすかではあったが。周囲を見回しても、灰皿すら置いてなかった。
北京の空気が汚いのは、ずいぶん前から言われてきたことだ。それでもやはり、中国の大気汚染が深刻度を増していることは間違いないと感じた。結局、北京を離れるまで、このタバコのようなわずかな匂いをずっと感じていた。
少し時間があったので、天安門広場に移動してみた。春節(旧正月)前なので、地方から来た観光客が多くいた。「どう?やっぱり空気よくないよね」と尋ねてみると、「(地元の)西安だって同じようなものさ」という答えが返ってきた。確かに、中国の大気汚染に関するウェブサイト(例えば、こちらのサイト)などを見ても、程度の差はあれ、いずれも悪いデータが並んでいる。
天安門に近い繁華街、王府井でも状況は同じ。皆が皆、マスクを付けているわけではないが、人通りは控え目。「あまり気持ちよくショッピングする気分にならない」。北京に住む人からは、ごくまっとうな感想が帰ってきた。中国では高級レストランの売り上げが2割も前年を下回ったと伝えられている。新しくリーダーになった習近平・総書記が「倹約令」を出したためとの解釈が一般的だが、人々が汚染を避けて外出を控えた影響もあるだろう。
春節中は落ち着いていた大気汚染も、メーカーの生産再開などに伴って再び深刻さを増してきている。報道は減っているが、抜本的な解決に至っていないのは明らかだ。
実は、中国で「ヤバい」のは空気だけではない。水も、土地も、かなり汚染が進んでいる。中国のビジネス誌「新世紀」の1月26日号に詳細なリポートが掲載されているので、少し紹介したい。
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